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国際線航空券の世界 [乗り物]

以前は個人で海外旅行というと表紙の付いた航空券を渡されて「海外へ行くんだ!」ワクワクした
ものですが、最近は航空券も電子チケット(eチケット)になってしまいその控えは単なるペラペラの
紙になってしまいました・・・。”あいのり”では告白の小道具(ツッコミどころ満載ですが・・・)でした
し、ドラマなどの小道具としても使われていましたが単なる紙では・・・。

そんな航空券の世界の一部を紹介します。

小さいころからご多分にもれず乗り物が好きになったのですが、その中でも興味を持ったのが鉄道
のきっぷや運賃の世界でした。(そんな子どもはどちらかというと少数派でしょう・・・)小学生の頃に
は時刻表を見て営業キロから運賃表を見て運賃を計算していたので可愛げの無い子どもです。
駅に行っては出札口(当時は駅員さんの手売りでした)できっぷを売っているところを見ていました。
中学生の時には学割発行の条件(近鉄線での学割適用の可否)で事務の人と揉めて校長室に呼
び出されるということもありました。

おかげさまで学生時代に旅行業務取扱主任者資格(当時)の試験を受けた時は国内運賃・料金の
勉強をしないで済むという余禄はありましたが・・・。(ちなみに運賃と料金を本職の方々でも混用し
ている人がいますが厳密には異なります。JRでも国際線航空券でも運送の対価として支払うのは
”運賃(FARE)”で、付帯設備やサービスなどについて支払うのが”料金(CHARGE)”ですね。
なので国際航空運賃が正しく料金ではありません)

大人になって就職した際は小さい頃から考えていた旅行業界に入りましたが、配属希望の面接で
希望したのが「国際線の発券の仕事」。たぶん入社前からそんな仕事を希望する人はほぼいない
と思いますが(入社後は比較的います)、営業でも企画でもなく希望したのは発券の仕事でした。
国内のJRなどの運賃はほぼ一通り覚えたので、今度は国際線を極めようと思ったのですが、やは
りそんな人は珍しかったのか(人事の人はびっくりしていました)、そのまま希望通り配属になって
しまいました。その後数年間発券の仕事をして、異動しながらも何らかの形で関わっているので思
い入れの強い分野ではあります。

まあずっと発券の仕事をしていたら視野が狭くなっていた可能性はあるので、異動していろいろな
仕事を経験したのは良かったとは思います。どうしても専門性の高い仕事ですので、相当気をつけ
ないとちょっと浮世離れしてしまいます。重要なのは専門の職人になることではなくて、お客様や
社員にどうやって知識を還元していくということですから。入社後発券の仕事を希望する人のほとん
どが「手に職をつけたい、運賃や発券の知識を身につけたい」というのが理由で「お客様や社員の
ために働きたい」という人は残念ながらほとんどいませんでした。

専門職の仕事でも様々な経験をするのは人生でプラスかなと思います。

さて前置きが長くなってしまいましたが、コレクションの中から一部を紹介します(笑)

IATA(国際航空運送協会)の公認代理店である旅行会社で発券する国際線航空券は精算手続き
を合理化するためどの航空会社の航空券を購入しても共通のBSP航空券というものが使われてい
ます。航空券としての面白みはありませんが、そのお陰でかなり辺鄙な区間の航空券も各航空会
社との精算契約(連帯運送契約)がある限り手配することができます。

以前、長く使われていたコンコルドが表紙の航空券です。
私が入社後に発券していた航空券も最初はこれでした。
青い表紙のものはOPTAT航空券といってカーボン紙が挟まれた機械発行の航空券で、赤い表紙
のものは2Pといって2区間用の手書き航空券です。

2P4P表紙.jpg

航空券は自動運賃計算や対応していない運賃計算もマニュアル入力での発券ができるので、ほぼ
全て端末での機械発行でしたが、赤いカーボン紙で印字するため発券の仕事をしていると手やキー
ボードが真っ赤になったものです。

OPTAT航空券.jpg
(OPTAT航空券)

ただ稀にどうしても端末での機械発行が出来ない時には手書きの航空券が登場しました。
出発後に事後精算しなくてはいけないなど特殊なケースに使用しました。(便出発後は発券できな
いのです)

2P航空券.jpg

やがて搭乗券一体型で裏面に磁気ストライプの付いたATB券が登場しました。

ATB航空券.jpg
(ATB航空券)

今は亡きカナディアン航空でアメリカに行ったときのもので、自分で予約・発券して使用したものです。

旅行会社発行の航空券と違い、航空会社発行の航空券の表紙は各航空会社のロゴなどが入ってい
るのでバラエティーに富んでいます。

航空会社発行航空券.jpg

中華航空(旧ロゴ)、ブリティッシュエアウェイズ(旧ロゴ)、カンタス航空です。
どれもカーボン時代の航空券ですね。

さて以上が国際線航空券ですが、鉄道の手書ききっぷも少し紹介します。

以前に九州の特急ゆふいんの森に乗るため、マルス端末の無い小さな駅で乗車券・特急券を購入し
たときのこと。駅員の方はきっぷが好きなことがわかると「自分で書いて発券してみたら!?」と手書き
の補充券(手書きのきっぷです)の束を渡してきました。これには驚きましたがせっかくなので自分で
記入して渡すと記載内容を確認して「良い記念になったね」と笑顔で渡してくれました。

補充券.jpg

後にも先にも駅で自らきっぷを発券したのはこの時だけです・・・。

あと職場が東京の目黒だった時に、最寄の不動前駅で発行してもらった手書きの乗車券。
ちょうど東急の目黒線と営団(当時)南北線と都営三田線が直通運転を開始した日で開通のご祝
儀?で発行してもらいました。(通常は非常用のため発売しません)

東急補充券.jpg

ということで”たかがきっぷ””されどきっぷ”なのです。

それにしても海外に行く時に紙ペラのeチケットに空港では自動チェックイン機なんて、便利な部分も
ありますし、合理化で仕方ないのですが正直寂しい気がします!?
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