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国内線時刻表アーカイブス~昭和62年~ [乗り物]

2010年3月いっぱいでANAが国内線普通席での無料飲み物サービスを、水とお茶を除いて
終了するそうだ。最近国内線ではJALを含め普通席・クラスJでの新聞サービス終了などサー
ビス見直しが相次いでいる。

以前飛行機がまだ特別な乗り物だった頃、国内線でも9時前の便では朝食(軽食)が提供さ
れていて、羽田=沖縄など長距離便では昼食・夕食の時間帯には軽食があった。朝食といっ
てもそんなに立派なものでも無いが、JALの場合サンドイッチや小さな幕の内弁当でなかなか
工夫されていてどうせ乗るなら・・・と朝食設定便を選んで乗ったものである。その他の時間帯
でも短距離線を除いて茶菓のサービスがあり、そうちょうど現在のJALクラスJのようにちょっと
した地方銘菓が出てきたりしたものだ。

それと国内線でも国際線のように温かいおしぼりサービスがあった。いずれも運賃の変化や
コストの問題もあって消えていったサービスである。この頃の国内線航空運賃といえば片道の
普通運賃の他は往復割引や回数券、夫婦割引(全日空ではロマンス88)、若者向けのスカイ
メイト程度で今のような誰でも気軽に使える航空券は少なかった。今では廃止されてしまって
いるが、ジェット特別料金というものがあって同じ路線でもジェット機とプロペラ機では運賃が異
なっていた。余談ながらこの年の数年後、国内旅行業務取扱主任者資格(現在は管理者資格)
を取得したのだが、割引運賃の計算ではジェット特別料金を除かなくてはいけないので計算が
面倒だったのを覚えている。

さて昭和62年の国内線時刻表を見てみよう。

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JALのロゴはまだ鶴丸で路線が少ないので折りたたみ式の時刻表だった。表紙には”日本航
空国内線のフライト・ダイアリー・サービス’87”とあり、まだ今のようなFFP=マイレージプログ
ラムが無く、JALカード会員向けに期間限定で搭乗距離に応じて記念品を進呈していた。(例え
ば5000kmでオレンジ18個などといったもの)国際線中心のJALの国内線は羽田発着なら札
幌、小松、大阪(伊丹空港で関空はまだ開港前)、福岡、鹿児島、沖縄だけでほとんどが幹線。
機種も747、DC10、767だけとシンプルで一番小さいのが767だった。

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ANA(全日空)は逆に初の国際線路線であるグアム線就航からまだ1年足らず。国際線の時
刻表も掲載されているが東京(成田)発着でグアム、ロサンゼルス、ワシントンDC、北京、大連
と就航したばかりの香港線が「7.25 東京―香港線就航」として出ている。この頃ANAはまだ
自前で国際線の予約システムを持っておらず、JALのシステムを間借りしていた時代だ。

機材もボーイング727、737、747SR、767、トライスター、オリンピアと愛称が付いていたYS
11でまだ727やトライスターが活躍していた。昭和62年は国鉄がJRになった直後でまだ山形
新幹線も無く、羽田=山形線はANAが1日5往復していた。その他にもYS11運航で名古屋=
南紀白浜なんて路線も。

インターネットや携帯電話も無いので予約はプッシュホンサービスなど電話で、航空券は旅行会
社や航空会社のカウンターで買うのが主流。「携帯ラジオ、トランシーバー、携帯式自動車用無
線電話機などは、航空機内ではご使用になれません」と案内も電波を発する電子機器で溢れる
現代とはずいぶん異なる。

運賃が多様化して実質安くなり、気軽に乗れるようになったのは嬉しいものの、飛行機が特別な
乗り物だった世代とては、それに合わせるように消えていくサービスをちょっと寂しくも思うのであ
る。
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